やっぱり体力勝負!

もうね、何か書きたいんです。色々書きたいんですけど、圧倒された高揚感と興奮と心地よさに浸っていると同時に3時間越えの舞台の2連続は気力も体力使うんです。ミュージカルだったり、ストーリー性があったり、場面展開がくるくる変わる舞台ではないですし。もちろん、演者さん達の方が何百倍も大変なのですが、観る方も覚悟がいりますw


  
サドタイムテーブル              ヒットラータイムテーブル  
 


マチソワで続けて観劇される方は前日にたっぷり睡眠を!!お席が前列の方だと舞台が鏡張りで客席ももろ映る状態なので、こっくりこっくりしているのがみんなに晒されてしまうと思われます。でも「わが友〜」の最前センターはきっと腰砕けになる近さで、ヒットラーとレームのじゃれあいを見せつけられますwwセンターがあらゆる意味で最強ですが、上手下手にもヒットラーチャンスは来ます!



原作を読まれていたら大体の予想や覚悟は出来ているとは思いますが、木場さんもパンフでおっしゃっているように、「サド〜」に関してはドラマが無いんです。みんながそれぞれにサド公爵について自論をまくしたてるという感じだし、まさに「言葉に最大の重きを与えている」という通りなので動きもあまりありません。台詞がとにかく長いですから、前半は会話というよりもその1人1人の自論を聞いていると言う感じ。そこでやっぱり、平さん、木場さんの凄さが際立つわけなんですけど。聴いていて心地いいんです。一概にお二人以外がだめなわけではなく、お二人が別格なんです。モントルイユとルネの対峙、期間中に是非とももう一山越えて欲しい!
「言葉に最大の重きを与えている」事に関しては「わが友〜」も同様だと思うのですが、こちらは「サド〜」に比べたらそれぞれの駆け引き合戦でもあります。でもヒットラーは、心の振り幅が大きいので役得といいますか、かなり自由に動いてます。いや、動かせてもらってるのかな?私が無知なだけで、以前の公演等でもこの演目のヒットラーは毎回こういう感じなのかもしれないですけれど、でも他の方の役に対して唯一、めいいっぱい身体でも表現する事を許されている、出来る事を全部使って横綱達にぶつかって行く事を許されたのかもなとも勝手に感じました。否、それとも信頼を勝ち取ったからこそなんだろうか?それがとうまくん発信からなのか*1、にながわさんの演出によるものなのか、若い役者が演じているからこそなのか、もっと上の年代の役者が演じるのであったら、他の誰かがこの役をやっていたらどうなっていたのかなと思い巡らせました*2。加えて、もちろん台詞もしっかり入ってるし、当然他の役と負けないくらい長台詞なので本当にやりがいのある役だろうなと。役を全うする事と並行してもう一つの大仕事、あの横綱に挑むのですから凄い集中力とエネルギー!!!しかもこの座組みでこのキャストって本当にまたとない幸運な機会を頂いたんだなあ!とカテコの4人並びでしみじみ実感しました。平さんはシアガイだったかで、「にながわさんとはこれが最後」的な事をおっしゃっているし。まあ冗談半分だったり、単にタイムリミット的な事を意図してるだけかもしれないけど。若手に限らず、この役をやりたい人は演劇界には数えきれないほどいるだろうなと。それくらい羨望される大き過ぎるお仕事だったんだと改めて思いました。もちろん、アンヌの役だって同様、まだふざけた事しか書いてませんがwこちらも1・2・3幕でそれぞれ年齢と共に違いを表現出来ていたと感じましたよ!!!ただ参加させてもらってるだけでも凄い事なんですよね。でもそれに応えるべく、いくたくんは誠心誠意、真摯に自分の出来る全てを全身全霊でささげている!輝いているなあ!乗りに乗ってるなあ!毎日毎公演、諸先輩方の沢山の事を盗んで、これをやり遂げた後が楽しみ過ぎる!!!!と早くも思えた初日2日間でした。




最新の源氏物語の現場レポやインタを読んだ後も同じだったんですけど、よくインタで言っている「予想をひっくり返したい」「観る人の先を行きたい」という言葉と、
去年のシネスクVol.30での記事の最後の部分

−20代後半、どうしたいですか?
「(略)もっと腕をあげなきゃって所に行きつきますね。」
−どうしたらその腕が手に入る?
「経験と、飛び込む勇気と。」
−勇気は?
「うん、あると思います。」

この記事が頭の中にものすごく呼び起される今日この頃です。

*1:パンフの巻末にあったにながわさんと窪塚くんの対談の会話じゃないけど「とりあえず自由にやってみろ」から始まる演者発信、そうだとしたらやっぱり演劇センスがある人なんだなあと思う

*2:それこそ先輩がやっていたらと